前回までのあらすじ:
ハワイで語学学校に通う明美。36歳。初対面にも関わらず
「ハワイは終着駅だと思うんだよね。」と思わせぶりなセリフを吐く。
彼女の真意とハワイでの明美の婚活の行方はいかに。
http://www.oretachi-hawaii.com/archives/50321030.html 


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明美は「薄めのウーロンハイを1つ下さい」と言い、
僕に「何か飲む?」と合わせて尋ねた。
「大丈夫」と答えて、彼女に聞いた。

「何が決められないの?色々って。」

「うーん、かっこ良く言うと、人生のプライオリティ。
シンプルにいうと、今後どうしたいか。
その前にこれまでの自分を上手く肯定できないというか、
考えると何も残っていないというというか。」

僕の返答を待つともなく、彼女は続けた。

「なるべく短めにするから過去の自分を語っていい?
自分で整理するためにも。」

そういうとウーロンハイを少なめに口にして、話し続けた。

そんなに内容に興味が持てなかった僕は、
キョロキョロ動く大きめの黒目と36歳にしては(失礼!?)
滑らかな白い手を見ていた。

要約すると、
・36歳(知ってる。)
・未婚/子供勿論なし(まぁそうだろう。そうでなきゃなかなか来ない。)
・4年生美大卒(確かにそういわれれば、どことなく、、)
・グラフィックデザイン会社でアートディレクターをしている。
仕事はまずまず充実していて、忙しくしている。(なるほど)
(2020年のオリンピックロゴ問題で色々あったことは事細かく説明された。)
・半年前に彼氏と別れた。(ここか、、、)
・嫌いなモノ:不倫・ハワイの王将が偽物だったこと・ラテアート(2つ目、3つ目はよくわかる)
・好きなモノ:餃子・フォント探し(1つ目はわかる)


「で、仕事はいいのよ。仕事は。勿論、代理店は何もしないし、特に"赤坂”は。
でもいいの。楽しいから。何かを作る事は楽しい。」

「何より結婚だね。知ってる?35歳ー45歳からを魔の10年って呼ぶらしいよ。」
誰が言い出したか知らないけど、余計なお世話。
魔って何よ。魔って。
英語だと、何だろう、devilじゃないよね。horrible? terrible?」
学校で習ってないよ。
そもそもhorribleとterribleはどう違うんだろう?知ってる?」

内容はとっ散らかっていたけど、
彼女は珍しく視線をまっすぐこっちに向けていた。

「ねぇ、貴司君。英語はともかくもう少し話ししたいんだけど、来週末空いてない?
話聞いてよ。ご馳走するから。」

正直断りの言葉が喉元まででかかっていた。
こういっちゃなんだが、面倒くさそうだ。

しかし、思いとは裏腹に、
「いいね。ご飯でも食べよう。」

「よかった。一瞬断ろうとしたでしょ?目に出てたよ。
どうしてOKしてくれたか、今度教えてね。」

そういって、彼女はとっちらかった言葉とは真逆の
機敏な動きで「おやすみ」と丁寧に折り畳んだ50ドルを置いていった。

来週、僕らは何をするんだろう。